植物の観察 ― 宿題「自由研究」のまとめ方(7)
テーマ「植物の観察」
1.題名
オジギソウの葉の運動調査(ものの接触時の反応)
2.研究者(自由研究した人)
6年3組 里村 佑貴(さとむら ゆうき)
3.この研究を選んだ理由(動機)
7月の中ごろにまいたオジギソウは、双葉から小さな本葉が現れました。大きさは5mm程度の本葉でしたが、成長した大きな葉と同じように触ると閉じるし、その後に放置しておくと再び葉を開きます。まるで動物のような動きをするので不思議です。オジギソウの葉は、どんなときに開閉するのか、是非調査したいと思いました。
4.参考書で調べたこと(事前調査)
オジギソウの葉は別図(※図略)で示すように、昼間は小葉を開いていますが、夕方からは小葉は閉じて1本の棒のようになります。このような葉が夜になると眠ったような形になる運動を「葉の就眠運動」と呼びます。
葉をよく観察すると、小葉のひとつひとつの付け根に小さな膨らみのあるところがあり、これを葉枕と呼びます。
葉枕では細胞内の水分の変化が見られ、夜間では光合成はできないので、水の圧力が減り、葉が閉じるという仕組みです。朝になると日が当たるため光合成が出来るので、細胞が水を取り入れて膨らむために、葉が開きます。
葉枕は、小葉の付け根以外に葉柄の付け根にもあり、小葉が閉じた後、葉柄が下がって就眠に入ります。また、葉に風や雨が当たったり、指で触ったりなどの刺激により、小葉はみるみる閉じて、就眠運動を始めます。
5.事前調査のまとめ
- (1)小葉は、昼間(明るい時間)は開いている。しかし、夕方からは閉じて1本の棒のようになる。
- (2)葉は夜間には閉じ、朝を迎えると再び開く。
- (3)小葉が閉じた後、葉柄が下がり就眠運動をはじめる。
- (4)葉に風や雨、または指で触るなどの刺激を与えると小葉はどんどん閉じて就眠運動をはじめる。
先生からのコメント
参考書で調べたことを箇条書きでまとめておくと、実験の方向性を決める材料となるためよいでしょう。
6.研究の目的
- (1)オジギソウの葉の1日(天候も考慮※晴れ、曇り、雨)の動きを観察・記録する。
- (2)葉のどの部分に触ると、どのような反応をするのかを実験・記録する。
- (3)光の有無によって葉が就眠運動するか調査する。また、光を継続的に当てると葉は開いたままになるのか実験・記録する。
7.研究の予想
- (1)参考書には「オジギソウは昼間小葉を開いていて、夕方からは、閉じて1本の棒のようになる」とあるので、オジギソウの葉の一日(晴れ・曇り・雨)の動きは、夜間は葉が閉じ、朝になると日が当たるため再び葉が開くと思います。ただし、雨が降ると、葉に雨が当たりそれが刺激となるため、明るい昼間でも葉は閉じているのではないかと思います。
- (2)参考書には「葉に風や雨が当たると閉じてしまう」とあるので、葉には刺激に敏感な部分があると思います。
- (3)暗くなると葉を閉じてしまいますが、光を継続的に当てると、夜でも葉を開いたままになると思います。
8.研究で使った材料
- (1)オジギソウ
- (2)分度器
- (3)ストップウォッチ
- (4)ダンボール箱
- (5)30W蛍光灯
9.研究方法
- (1)晴れ、曇り、雨の日の葉の開く角度を分度器で正確に計測する。具体的な計測方法は別図(※略図)を参照。
- ・朝(午前4時30分から午前7時30分まで、15分おき)
- ・夕方(午後3時15分から午後7時00分まで、15分おき)
- (2)ものが接触したときの反応を調査する。
- ・葉のさまざまな部分を指で優しく触れる
- (3-1)光の有無により葉が就眠運動をはじめるかを調査する。
- ・昼間、明るい場所で葉を開いているオジギソウにダンボール箱をかぶせ、1分おきに葉の開き具合を分度器にて計測する。ダンボールをかぶせるときは、箱の一部分を開きやすくし、そこを開閉して測定する。
- (3-2)光を継続的に当てると葉は開いたままになるか調査する。
- ・30Wの蛍光灯を使ってオジギソウの葉の開き具合を分度器にて計測する。
先生からのコメント
この研究で感心することは分度器で葉の開閉を測定し数値として記録するところです。普通では開閉の有無による区別しかできない変化の様子を、グラフを使って表せることが出来る工夫によって、途中の変化の様子もわかることができました。
10.研究結果(※グラフ略)
- (1)朝と夕方の変化(天候:晴れ、曇り、雨)
- [朝の変化]
- ・晴れ……朝5時過ぎから徐々に開きだし、その後1時間経過で全開(180度)となった。
- ・くもり……晴れの日に比べ遅い時刻に葉が開きはじめ、その後約1時間で全開(180度)となった。
- ・雨……6時前から徐々に開きだし、その後30分で60度程度開き、このあといくら観察しても60度以上は開かなかった。
- [夕方の変化]
- ・晴れ……夕方前まで全開だった葉は、午後4時15分前後になると徐々に閉じ始め、その後2時間程度かけて葉が完全に閉じた(0度)。
- ・曇り……夕方前まで全開だった葉は、午後3時45分前後になると徐々に閉じ始め、約2時間で葉が完全に閉じた(0度)。また、葉が閉じた後葉柄も下がった。
- ・雨……夕方前まで60度ほど開いていた葉は、午後3時30分前後になると徐々に閉じ始め、その後約15分で完全にとした(0度)。また、葉が閉じた後葉柄も下がった。
先生からのコメント
実験を行った日付を忘れずに入れましょう。同じ晴れ、くもり、雨でも気温の異なる日があります。できれば温度計を使って気温を記録した方がよいでしょう。
夕方の曇り、雨では葉柄の様子がありますが、晴れの日はどうだったのでしょうか。変化がなかった場合、無記入ではなく「変化なし」と書くようにしましょう。
- (2)指で触ったときの反応
- [小葉の先端を触った結果]
- ・葉の表から……少し傾くが、反応無し。
- ・葉の裏から……大体の葉が反応無し。
- ・葉の外側から……少し傾くが、反応無し。
- [小葉の真ん中周辺を触った結果]
- ・葉の表から……大体の葉が半分程度傾く。
- ・葉の裏から……大体の葉が半分程度傾く。
- [小葉の付け根を触った結果]
- ・葉の表から……大体の葉が閉じる。
- ・葉の裏から……大体の葉が閉じる。
- (3-1)光の有無により葉が就眠運動をはじめるか
- ・明るいところから、ダンボールの箱の中(ダンボール箱の中の温度は30℃)に入れると、全開(180度)だった小葉は、27分で閉じた。※グラフ略。
先生からのコメント
昼間にこの実験を行ったと予想しますが、時刻が記されていないため断定することが出来ません。仮に夕方行ったのだとしたら、初めの実験結果のように、外に置いておいたオジギソウも葉を閉じる時間になるため、ダンボールで暗くしたために葉が閉じたという結果の信憑性がなくなります。そのため、実験時刻の記入は大切なことなのです。
こうした疑問を持たれないようにするには、暗くしていないオジギソウとダンボール箱をかぶせたオジギソウの葉の角度を一緒に計測するようにするとよいでしょう。
また、箱の中の温度が記されていますが、外の気温も計測して記録するようにしましょう。
- (3-2)光を継続的に当てると葉は開いたままになるか
- ・オジギソウの上部に、30Wの蛍光灯をつけたままにして放置したが、午後4時を過ぎると小葉は徐々に閉じ始めた。また、翌日の午前4時20分頃から再び開きはじめた。
11.研究結果からわかったこと
- (1)小葉が開きはじめる時刻は午前5時を過ぎたあたりで、閉じるのは午後5時を過ぎる頃ある。しかし、晴れ、曇り、雨の日によって時刻は異なる。晴れの日は大きく開き、雨の日は小さい。曇りの日は晴れと雨の中間程度になる。
- (2)雨の降っている日でも、小葉はある程度開き、夕方になると葉柄も下がる。
- (3)ほんのちょっとの刺激でも小葉は閉じる。
- (4)葉が刺激を受ける箇所によって、反応する範囲が異なる。
- (5)明るい場所から暗い場所(ダンボールの箱)に移動させると、27分で葉が閉じた。光が届かなくなると葉を閉じるといえる。
- (6)たとえ1日中明るくても、自然の状態と同様、就眠運動をはじめる。
先生からのコメント
他の人がこの実験を行おうとするとき、蛍光灯からオジギソウまでの距離が不明であるため、確認することが出来ません。また、「(6)1日中明るくても〜」とありますが、「夜間の30Wの蛍光灯の下では」という言い回しが適切です。これは30Wの蛍光灯が、太陽と同等の明るさとはいえないためです。
12.まとめ(考察)
僕は、1日中明るい環境に置いておくと、就眠運動はしないものと予想しました。しかし、結果を見ると自然の状態と同様、朝になると起き、夕方になると就眠運動がはじまりました。どうやら、植物にも1日のリズムがあるようです。
先生からのコメント
この実験・観察をさらによくするためには、多くの実験を行うよりも、いくつかの実験を繰り返す方が、結論の信憑性が高くなります。例をあげると、「光を継続的にあてると葉は開いたままか」の実験ではいくつものオジギソウの鉢を並べて、蛍光灯までの距離を段階ごとに変えて実験を繰り返すと、1つで観察した結論より信頼できると思います。
13.最後に(感想や反省)
オジギソウの葉の動きには光の有無に影響され、また、オジギソウも僕たちと同じように夜は眠り、朝には起きますが、光に敏感であることがよくわかりました。
夕方になり、閉じた葉は、一晩中30Wの蛍光灯で照らしていても葉は全く開きませんでした。夜は熟睡してしまうのは自分と同じだなと思うとおかしくなりました。
実験開始前に、つい小葉や葉柄に触れてしまうと、すぐに葉を閉じてしまうため、分度器で角度を計測するときは骨の折れる作業でした。
14.研究の参考図書(本)
- 「植物図鑑」 ○○館
- 「理科大百科」 ○○著 ○○社
- 「運動する植物」 ○○書房
15.研究協力者(お手伝いしてくれた人)
- お母さん……夜中の観察時に、起こしてもらった。
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